科達嘉の大電流インダクタ CSBA シリーズは、窒化ガリウム(GaN)電源方案に最適な選択肢を提供し
電源設計において、窒化ガリウム(GaN)をベースとしたソリューションは、より高いスイッチング周波数と、より優れた放熱性能を実現することができる。同時に、部品の体積と重量を大幅に縮小し(シリコンベースのソリューションと比較して 50%以上減少)、大量の実装空間を節約できる。これにより、装置全体の寸法が縮小され、電力密度が大幅に向上させます。このため、窒化ガリウム素子は、5G 通信、新エネルギー自動車、データセンター、サーバー電源などの分野で、高電力密度、低消費電力、高信頼性といった核心的な優位点を発揮しています。その応用がますます広がるに伴い、回路内のインダクタの性能に対する要求もますます高まって行きます。

一、窒化ガリウム電源がインダクタに対する要求
● 高周波で低損失:GaN 部品は MHz レベルの高周波スイッチングを対応でき、受動部品の体積を顕著に低減できます。しかし、高周波によりインダクタの表皮効果・銅損とコアロスが増加させます。そのため、インダクタは高周波で低損失の材料を採用する必要があり、高周波時のコアの発熱を避けるようにします。
● 高飽和電流:窒化ガリウム電源の高電力密度により、インダクタがより高い瞬間電流を受ける可能性があり、コアが飽和しやすくなります。そのため、鉄珪素アルミニウムや鉄ニッケル合金などの高 Bs コア材料を選択することで、大電流下でのインダクタンス値が急激に低下することを避けられ、同時に強い直流バイアス能力を備えており、動的な負荷下での電気性能の安定性を確保することができます。
● 低直流抵抗(DCR):銅損を低減することは、窒化ガリウム電源の全体的な効率を向上させるための鍵であります。インダクタのコイルの導体断面積を増やすことで、太い線径や扁平線巻線技術などを採用することで、DCR を低減できます。
● 小型化と高電力密度:窒化ガリウム電源は、極限までの小型化を追求しています。インダクタは高 Bs 材料と分布エアギャップ設計を採用することで、コアの体積を縮小でき、それによりインダクタの体積を縮小し、PCBへの実装面積を減らすことができます。
● 温度安定性:インダクタのパラメータ(インダクタンス値、損失など)が温度によって変化することは、電源の安定性に影響を与えます。温度特性の安定した材料を選択することで、電気特性の安定性を確保することができます。そのため、窒化ガリウム電源に使用されるインダクタは、広い温度範囲での動作が可能であり、-55℃~150℃の温度範囲内での性能の安定性を確保できる必要があります。
二、大電流インダクタ CSBA シリーズ:窒化ガリウム電源ソリューションのニーズを満たす
高周波動作環境、特に窒化ガリウム電源ソリューションが求めるインダクタの高周波低損失、高電力密度、広温度範囲での性能要件を満たすため、科達嘉は大電流インダクタのCSBA シリーズを開発しました。当シリーズのインダクタは、科達嘉が独自開発した合金粉末コア材料を採用しており、極めて低いコアロスと優れた軟飽和特性、高周波低損失の性能を備えています。多重じ実験により、CSBA シリーズは 300~600kHz の周波数域でインダクタ損失が最も低いことが実証されており、窒化ガリウムソリューションの設計に非常に適しています。

現在、当該シリーズのインダクタは、1040、1050、1060、1250、1265、1275、1670、1809、2212 の 9 種類の寸法の製品を開発しておりました。インダクタンス値の範囲は 0.17~100.00μH、直流抵抗(DCR)は 0.32~51.30mΩ、飽和電流は 7.20~70.00A、温度上昇電流は 4.80~50.00A です。動作温度範囲は - 55℃~+150℃(コイル自身の発熱を含む)で、CSBA シリーズインダクタの電気特性と寸法詳細は表一を参照のこと。
表 1:CSBA シリーズインダクタの電気特性と寸法

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1.窒化ガリウムの高周波特性に適合した低コアロス
窒化ガリウム部品の高周波特性は、インダクタに対する要求が高いです。CSBA シリーズは、低コアロスの材質と扁平線巻線設計を採用しており、コアロスと直流抵抗(DCR)を効果的に低減できます。これにより、高周波動作時のパワーロスを減らし、電源の変換効率を向上させます。同じな実装サイズの合金粉末材質のインダクタと CSBA の、異なる周波数におけるコアロスの対比データについては、図 1 を参照してください。

図 1:同じパッケージの合金粉末材質インダクタと CSBA シリーズインダクタの磁心損失比較
2.磁気遮蔽構造による妨害耐性強化
CSBA シリーズは磁気遮蔽構造を採用しており、電磁妨害(EMI)を効果的に抑制できます。これは窒化ガリウム電源の高周波動作環境において特に重要な機能です。回路から他の敏感素子への妨害を低減することで、システム全体の信号伝送品質と信頼性を向上させることが可能で、特にデータセンターのサーバー電源などの高密度・高複雑度のシーンに適用します。
3.薄型・軽量の設計による高電力密度化を実現し
窒化ガリウム電源は通常、小型化と高電力密度を求めています。CSBA シリーズの薄型・軽量の設計とコンパクトな構造(最小寸法 11.20×10.20×4.00 mm)により、回路基板の実装面積を節約し、高密度実装に適しており、現代の電子機器が空間利用率に対する厳しい需要を満たしています。

図2 CSBA1040 シリーズの外形寸法(mm)
4.広い温度範囲での安定性
CSBA シリーズインダクタの動作温度範囲は - 55℃~+150℃で、高温環境下での動作にも適応できます。優れた温度安定性により、インダクタが高温時においても低損失と高効率を維持し、温度上昇による性能低下を防ぎます。
5.低損失と高効率
CSBA シリーズは、低損失の合金粉末コア材料と最適化されたコイル構造を採用することで、コアロスと銅損をさらに低減し、窒化ガリウム電源の全体効率を向上させます。例えば、データセンターのサーバー電源では、低損失インダクタによりエネルギー浪費を削減し、グリーンエネルギーのトレンドに適合します。
6.幅広い適用性
コンパクトな大電流インダクタの CSBA シリーズは、窒化ガリウム電源の DC-DC コンバータ、スイッチングレギュレータなどの核心モジュールに幅広く適用できます。例えば、AI サーバー電源や新エネルギー機器では、大電流処理能力と高周波適応性が高電力密度の電源設計をサポートし、システムの長期安定運用を確保します。
科達嘉の大電流インダクタのCSBAシリーズは、材料革新、構造最適化、プロセス改良により、窒化ガリウム電源において低損失、高信頼性、強い妨害耐性、高電力密度などの複合的な優位点を実現しています。これらの特性は、窒化ガリウム技術のアップグレードに適合する理想的な選択肢となっており、特に高周波、高温、高安定性が要求されるハイエンド電源システムに適しており、電源システムの性能と信頼性を顕著に向上させます。
三、環境基準
本製品は RoHS、REACH、HFなどの環境基準を準拠しています。
四、生産状況
製品はすでに量産されており、納期は 4~6 週間です。
サンプル申請または詳細をお知りたい場合は、科達嘉の公式ウェブサイトまたは担当営業にご連絡ください。